大学を知る 第4回 「史学・地理学」
史学・地理学って何を学ぶの?
史学・地理学はいずれも特定の時代や地域の人間の営みを探求することを通して、これからの人間社会の在り方、社会構造や暮らしやすい街づくりなどを考える学問です。
史学では、過去の出来事や物事の変化を対象として、史料に基づいて過去の人間社会のあり様を記述し、先人の叡智を学び、それを現在と未来にどう生かしていくかを学んでいきます。一般的に、「日本史」「東洋史」「西洋史」の3つの地域に分かれ、それぞれの政治史、文化史、宗教史などを学んでいきます。しかし、最近は、国家という単位だけではなく地域や国家間の関係性に注目したり、政治や経済だけではなく文化や芸術も含めて包括的に捉えようとする試みがなされています。また、史料の分析が不可欠のため、対象地域の言語能力も要求されます。
一方、地理的特徴が人間の営みに与える影響、そこから生まれる地域的特徴などを分析することで、自然と上手に付き合っていく方法を研究していくのが地理学です。基礎としては。「地誌」「地図学」「地理学史」「系統地理学」を学び、系統地理学はさらに「人文地理」「自然地理」の2分野に分けられ、人文地理では人口、集落、政治経済、文化など各地域の特色を、自然地理では地形や気候が人間生活や産業にどのように影響を及ぼすが研究していきます。科目には測量学や製図実習など理系の要素が含まれ、フィールドワークという実地調査などもあります。
また、古い地図を眺め、そこから当時の人々がどのような生活をしていたのか、どのような過程を経て町が発展していったのか考えるのが楽しい学問でもあります。
史学・地理学ともに文学部などの文系学部に設置されていることが多いですが、自然地理学は理系学部で開講されていることもあり、大学によって得意とする研究分野が異なるため大学案内等で確認しておくと良いでしょう。