長野県入試後期選抜平均点について

長野県教育委員会は6月の定例会にて平成28年度長野県後期選抜の教科別平均点を公表しました。(くわしくはコチラ)この結果について分析してみたいと思います。

①理数の難易度が大きく難化

平成28年度後期選抜の結果は、合計点で前年を10点以上下回る難しい選抜であったと言えます。合計が10点以上落ち込むのは平成24年度入試以来4年ぶりです。実はその年も今回も落ち込んだ理由が「理科と数学」にあります。今回は特に理科の落ち込みが激しく、前年より14点下回りました。数学も2点低く、両科目で16点下がったことになります。
一方国語と英語は微増、社会は約4点上昇しました。

②理科は得点分布も大きく変化

県教委資料では得点分布も公表しており、昨年との比較ができます。こちらの方でも理科が際立って変化しています。最頻値が約50点落ちています。受験生泣かせの科目であったことがうかがわれます。

③英語の二極化は再び進行

英語の得点分布もいわゆる「M型」になっています。昨年入試でいったん正規分布になった英語ですが、一昨年までのようなM型に戻ったといえます。以前から指摘されているように、英語は上位層と下位層の学力差が広がっていると言えます。

④来年度入試に向けて

今回の県教委の発表した得点状況は、ある程度来年度入試の難易度設定に影響すると思われます。その意味では理科や数学の難易度はあまり難しくなりすぎないよう調整が入る可能性はあります。
ただし近年全国的に公立入試では「記述型問題・思考力や表現力を問う問題」が増加傾向にあり、全般的に問題が難しくなってきています。長野県入試も例外ではなく、記述型問題の出題量は過去最高を記録しています。
そうしたことから、入試そのものが易しくなる可能性はむしろ低いと見るべきでしょう。特に上位校(長野や屋代・上田など)を受験する場合は理科・数学とも今年並みに難しいという前提で対策をしておきたいところです。