大学を知る 第19回 「物理学」
物理学って何を学ぶの?
物理学は自然界で起きているさまざまな出来事を系統的に理解することを目指し宇宙の無限世界から分子、原子、素粒子などのミクロの世界まで、自然界の各階層で起こるさまざまな法則を解き明かし、基本的普遍的な姿で自然を捉えようとする学問です。いろいろな公式を覚えて問題を解く、とく高校時代の物理とは異なり、大学では公式や法則そのものの成り立ちを考えることからスタートしていきます。そして物理学を理論と実験の両面で検証し、研究を深めることで物理学的思考力を養っていきます。
大学の物理学では、まずは現代物理学の基礎となる「力学」「電磁気学」「量子力学」「熱力学」「流体力学」「統計力学」「物理数学」などの習得が重要視されています。物理学にはコンピュータの知識も必要不可欠となっています。1年・2年次にはこれらの基礎科目を実験や演習を交えてじっくり学び、3年次では原子核物理、物性物理、計算物理などの物理学の中心分野を学び、4年次では研究室に所属し、教授や大学院生の指導を受けながら卒業研究に取り組むのが一般的です。
物理学系学科は、大きく分けると「物理学科」と「応用物理学科」に分けられます。応用物理学科では物性物理や物質科学に重点を置き、工学系科目を専門科目として受講していくのが一般的です。そのほか物性物理と化学を一本化した物質科学科、自然科学科の基礎である純粋数学と純粋物理を学ぶことができる「物理・数理学科」などもあります。
目の前で起きている現象を数字で書き表わすことができ。さらにそこから違う現象のシュミレーションや一見異なる現象との法則性を見出すことができるため、非常に魅力的な学問でもあります。