大学を知る 第21回 「化学」
化学って何を学ぶの?
化学とは、存在するすべての物質(もの)に関する学問です。身の回りに存在する物質の構造、性質、反応と変化の過程を調べ、それをもとに人間の暮らしに役立つ新しい物質を創りだすことを目指しています。
大学では学ぶ化学は、「有機化学」「無機化学」「物理化学」の3分野に分けられます。有機化学と無機化学は、それぞれ有機化合物と無機化合物を対象としてそれらの性質や反応、新たな化合物の合成や分離などを扱うのに対して、物理化学は化合物の範囲を限定せず、物質の構造や状態、性質、物質相互の反応などを扱います。
1、2年次には各分野の基礎科目と、化学と密接な関係にある物理学。生物学、数学を学びます。また、講義だけではなく、基礎実験やコンピュータ演習などで実験・分析技術を身に付けます。3、4年次にはなると専門選択科目が増え、さらに高度な実験に取り組んでいきます。カリキュラムの中で実験が占める割合が高いのがこの学系の特徴の一つです。高校時代の化学実験と異なり、大学では自分で立てた仮説を証明するために実験を行うので、思い通りの結果が簡単に出てはきません。逆に実験の過程や結果から別の問題を発見する場合もあります。根気はいるが、パズル的な要素も含んでいるため、楽しめる学問でもあります。
ベーシックな基礎化学を中心に学ぶ化学科や基礎化学科、物質をトータルにアプローチする物質化学科、高分子を対象にした機能高分子学科などがあります。多くは理学部で学ぶことができますが、化学を産業に応用する応用化学科、工業化学科など工学部に属する学科も扱っています。自分にとって重点を置くのは何なのかを考えながら志望校選択すると良いでしょう。