さて、本日は「考える力」についてです。
私は個人的に「今の子どもは…」ということばを使わないようにしています。理由としては、時代は多少変われど子どもの本質はそれほど変わるものではないという点、そしてもう一つは「今の子どもは…」ということばで、さまざまな問題点を子ども側に還元してしまう危険性があるからです。今の子どもたちを育て、今の子どもたちがいる社会を作り上げてきたのは私たち大人で、子どもはその大人を見て成長します。何か問題点がある場合には「今の子どもは…」と考える前に、自分たちの行動をもう一度見直すべきではないでしょうか。
・・・と、のっけからエラそうなことを書いてみましたが、タイトルにある「考える力」に関しては、20~30年前の子どもたちに比べて劣ってきているように思います。残念ながら「今の子どもは考える力がないなぁ…」という状態です。ただ、この辺をダラダラ述べてもしょうがないので、もう少し分析してみましょう。
まずここでいう「考える力」というのは、実際の教科指導内における「与えられた問題に対する解決能力」(例えば数学の問題を考える力や英語をどう訳すか考える力)ではなく、「自分の身の回りにある問題を問題として認識し、工夫しながら解決していく能力」です。例えば、学力が思うように上がらない場合に、ひょっとして自分の学習方法に問題があるのではないかと思い考え、ではどうしたら学力が上がるようになるかを工夫し、考えながら処理していく力です。
この両者には決定的な違いが2つあります。まずは前者が「与えられた」問題であるのに対し、後者が「自分の身の回りにある問題を問題としてみずから気付き認識」するという点です。そしてもう一つは、前者にははっきりとした明確な答えが存在するのに対し、後者には明確な答えが存在しない場合が多いという点です。
ではなぜ、今の子どもは・・・ってこういう言い方は先ほど述べたように好きではありませんし、良くない言い方なのですが、それでも敢えていいましょう! なぜ、今の子どもは・・・答え無き問題を考えるのが苦手で、みずから問題点を見つけ解決していくことが苦手なのでしょうか?
その続きは次回! (わー、初回から引っ張りますよねぇ。 すみません。)