考える力(3)
私たち人間に行動は、自分たちが思っているほど、意識的にかつ論理的に動いていません。これは例えば、子どもたちが学習をして問題を解く際も同じで、意外に無意識的に、単純作業さながらの意識レベルで問題を解いている場合もかなりあります。特に、脳が、「これは以前やった問題」とか「これはある程度簡単な問題」とか判断した場合には、脳は意識レベルを下げ、活性化をやめようとします。そしてこのような状態が続くとケアレスミスが生じたり、あるいはこのような無意識レベルでの学習が続くと、いざという時になかなか脳が活性化せず、自己解決能力が堕ちてきたりします。
前回の記事で、「与えられた問題はこなすことができても、わからない問題にぶつかった時に、それをどうしたらいいのか、そこが乗り越えられない生徒が多い」ということを書きましたが、これは普段から脳の活性化が起きていないからです。
大事なことは、普段の日常生活から、意識的に脳にある程度の緊張感や負担を掛け、活性化しておく訓練を怠らないことです。そのためには先ほど述べた「指差確認(指差喚呼・指差呼称)」なども有効な手段です。例えば、毎日の学習前に、学習する参考書や問題集を指差し、「何のためにどの程度勉強する」と口に出してみることです。
これは実際やってみれば(あるいはやらなくても想像すれば)わかりますが、「何のためにどの程度勉強する」って口で言えますか? おそらく90%以上の人が言えないはずです。では、実際に何のために勉強しているんでしょう? 惰性ですか?
このような、なんとなく行なっていることが、実際の生活にはたくさんあります。 もちろん、人間生活には「あいまいさ」が必要であり、すべてが理論的になるものではないですが、少なくとも勉強に関しては、もっともっと意識的になるべきではないでしょうか?
そして、このように、意識的に、脳を活性して、物事に対処することこそ、考える力と言えます。
次回は、この「考える力」と「国語力」についてお話ししたいと思います!