大学を知る 第27回 「材料工学」

27-%e6%9d%90%e6%96%99%e5%b7%a5%e5%ad%a6%e3%82%bf%e3%82%a4%e3%83%88%e3%83%ab%e3%83%90%e3%83%8a材料工学って何を学ぶの?

27-%e6%9d%90%e6%96%99%e5%b7%a5%e5%ad%a6%e3%83%bc%e3%80%8030

 

 私たちの身の回りにある多くのもの。それらを構成する材料を研究するのが材料工学です。材料の構造とその機能を工学的に解明し、モノづくりに最良の材料を開発するのが最大の研究となります。

 材料を大まかに分けると、金属材料、有機材料、無機材料、それらを複数組み合わせた複合材料などがあります。「金属材料」は、鉄やアルミニウム、チタンを代表とするもので、形状記憶合金やクリーンエネルギーである水素を安全に水素貯蔵合金などの開発が現在進められています。「有機材料」は炭素化合物を原料とする材料ではありますが、現在は液晶や有機ELなど新しい材料も研究しています。「無機材料」はセラミックス材料とも呼ばれている分野となり、この分野ではナノテクノロジーが基盤になっています。

 大学では、1・2年次に物理・化学・数学とともに金属や有機・無機材料の基礎知識を学びその後、各専攻にてセラミック材料や電気・磁気材料額・触媒化学、宇宙材料額などを履修していきます。演習や実験、工場見学等の実践的な科目も多く実験や分析に必要なコンピュータや情報処理に関する講義も行っていきます。

 

 ワンポイント

 材料工学は、通常、工学部と理学部の材料工学や材料物製工学、マテリアル工学といった学科で学ぶことができます。そのほか、特に高機能を持つ材料の開発や材料の改質による新機能の付与といった分野に重点を置く「機能材料工学」と呼ばれる分野もあります。また大学によっては物理工学科や機械工学科で材料工学の分野を学ぶこともできるところも一部あるようです。さらに地域に密着した、例えば信州大学繊維学部といった特色のある学部もあります。