大学を知る 第28回 「応用工学」

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 化学の理論や知識を活用して、人間生活に役立つ新しい物質を開発研究する学問です。その守備範囲は医療、農業、食品、エレクトロニクスなど幅広く、数年後には実用化されることを目指した実践的な研究が日々行われています。

 応用化学の一つのテーマとして挙げられるのが、新素材の開発です。高分子材料、生体材料、セラミックス材料などがあり、スマートフォンなどに使われている高効率なリチウム電池の電極もこの分野で開発された材料が使われています。また、化学物質の中には有害物質が存在することもあります。そのため、最近では環境保全技術も重要な研究対象となっています。例えば、ダイオキシンなどの有害物質の分解作用を持つセラミックス系光触媒物質、分解して土に変わるプラスティックなどが開発されています。

 大学1年、2年では、物理化学、有機・無機化学、分析化学などの基礎科目を学び、また1年次から実験の比重が高い点もこの学系の特徴の一つとなっています。3年次以降は、高分子化学、触媒化学、反応速度論などの講義や実験、演習を履修し各自の卒業研究に取り組んでいきます。

 ワンポイント

 応用化学は、工学部、理工学部に設置されている、「応用化学科」「化学システム工学科」「工業化学科」「化学工業科」などで学ぶことができます。また近年では、「環境」との関わりを研究に据えた「環境応用化学科」「バイオ環境科学科」や「ナノテクノロジー」に着目した「ナノサイエンス学科」も設置されています。自分の身の回りの化学現象の中から、今までなかった新しいモノを作り出そう、より良いモノにしようとする研究がされている分野のため、豊富な知識と柔軟な発想力が必要な学科でもあるため、容易ではありませんがやりがいを感じられる学問でもあります。