大学を知る 第29回 「生物工学」

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 生物学の基礎研究によって解明された生物の機能や仕組みを活かして、産業や医学・薬学への応用を目指す学問です。例えば、微生物による産業廃棄物の分解や遺伝子組み換えによって微生物に有用な物質を作らせていくなどがこの分野の研究になります。

 生物工学は遺伝子工学や細胞工学といった基礎技術をもとに研究がすすめられています。「遺伝子工学」では遺伝子組み換え技術を用いた遺伝子の構造解析や遺伝子操作を行い、「細胞工学」では細胞同士を融合させ、雑種細胞を作ったり、細胞内で有用物質の大量生産を行っていきます。そしてこれらの技術と他の工学的技術を組み合わせて実用的なバイオ技術を開発していきます。生物工学の活用範囲は、医療、食品、化学、発酵の諸工業分野から環境保全の幅広い分野に及びます。

 ワンポイント

 生命現象を利用したり、参考にしたりして製品に応用しようとする研究が非常に盛んな学問のため、工学部、理工学部にある「生物工学科」「生命工学科」「生命科学」「生命情報工学」と理学部生物科や農学部などでの遺伝子工学や細胞工学における研究では融合が進められています。学部、学科にこだわらず、どの分野の研究に強いのか、どの分野に重点が置かれているのかを調べておくと大学選びしやすくなります。