絶対暗記!「化学式・化学反応式」① -気体の性質編-
理科は相対的には「理論」を要する科目ですが、実際にテスト-入試といってもいいかな?-には、用語と用語の意味するもの、そして特に化学分野においては化学式や反応式、イオン式等「理論」より暗記を優先しなければならないものがたくさんあります。
何回かのシリーズに分けて、入試までに覚えなければならない、いろいろな物質の性質やその化学式・化学反応式を箇条書きで紹介します。絶対暗記だよ!!
さて第1回目は1年生で学習した「気体の性質」編です。
○水素(H₂)…よく問題にからんでくる気体です。
・うすい塩酸に金属(亜鉛・鉄・アルミニウム・マグネシウム等々)が反応して発生する気体。
・物質中で最も軽く、水にまったくとけないので「水上置換」で採取。
・火をつけると「激しく(音をたてて)燃える」性質があります。
・エコ・カーの「燃料電池」はこの水素を使います。水しか排出しないところがエコ。
○酸素(O₂)…これなくしてはほとんどの生物が生きていけない気体。地球上にある酸素のほとんどは、植物の「光合成」によって産 出されたもの。空気中に20%程度含まれています。
・実験的には過酸化水素水(オキシドール)が二酸化マンガンにふれることで発生します。
・空気より重く、ほとんど水にとけないので「水上置換」で採取。
・酸素は燃えません!「ものを燃やす」はたらきがあるということを覚えておきましょう。なお酸素と物質がむすびつくことを「酸化」 といい、反応の激しいものを「燃焼」といいます。
○二酸化炭素(CO₂)…有機物が燃えるとこの気体が発生。この気体の増加が地球温暖化に拍車をかけている。ただし空気中には
0.04%程度しか含まれていません。
・うすい塩酸に石灰石(貝殻や卵の殻等)が反応して発生する気体。うすい塩酸を用いることで水素と混同しやすいので注意!
・空気より重く、少ししか水にとけません。やはり「水上置換」で採取するのが一般的。「下方置換」でも可。
・水に溶けて「炭酸」という酸性の水溶液になります。BTBを加えると黄色に変化します。
○アンモニア(NH₃)…強烈な刺激臭を持つ気体。
・塩化アンモニウム(または硫酸アンモニウム)と水酸化カルシウムの粉末をまぜて加熱すると発生する気体。アンモニア水を加熱するだけでも発生します。
・空気より軽く、水によくとけるので「上方置換」で採取。刺激臭のある気体なので直接臭いをかがず、手であおぐようにしてかぐこと。
・水にとけて「水酸化アンモニウム(アンモニア水)」というアルカリ性の水溶液になります。BTBが青色、フェノールフタレインが赤色に変化します。
なおこのアンモニアは火薬の原料のひとつで、空気中から精製する方法が19世紀末に発明されたことで、火薬が安く、大量につくることができるようになり、第1次世界大戦の開始を早めたという説があります。