クフ王の大ピラミッドに関する数学的考察の中で最も多い指摘は、大ピラミッドの中に「円周率(π)」や「黄金比」が隠されているという指摘です。
そして、円周率に関連した指摘の中で最も多く有名なのは、
「ピラミッドの周の長さは高さの2π倍、すなわち高さを半径とする円周の長さになっている」
という関係でしょう。
この関係に実際の数値を代入すると
4×230.4 = 2π×146.7
したがって、円周率πは
π = (4×230.4)÷(2×146.7)
= 3.1411・・・
円周率πは3.14159・・・ですから測定の際の誤差を考慮に入れても非常に精度の高いものであることがわかります。紀元前5世紀のギリシャの歴史家ヘロドトスは、エジプトを旅行した際、「クフ王の大ピラミッドは、側面の三角形の面積がピラミッドの高さの平方に等しくなるように造られている」と神官に教えられたと書いています。
側面の三角形の面積は
S= (底辺×高さ) ÷ 2
= (230.4×186.5) ÷ 2
= 21484.8
となります。
一方、大ピラミッドの高さをhとすると
h2 = (146.7)2
≒ 21520.9
となります。
この値は先に求めたSの値にほぼ一致しています。