クォークとは
クォークは、現在の実験的事実から内部構造を持たないとされており、
レプトン、ゲージ粒子およびヒッグス粒子とともに標準模型を構成する素粒子のグループである。
クォーク同士は結合してハドロンと呼ばれる複合粒子を形成する。
最も安定なハドロンは、原子核の構成要素である陽子および中性子である。
(簡単にいえば、陽子や中性子を分解すると、クォークに分けられるっていうこと)
クォークの閉じ込めとして知られる現象により、
クォークは相当な高エネルギー状態でなければ単独で観測されることはなく、
ハドロンの中においてのみ観測することができます。
現在発見されているクォークは、以下の6種類
ダウンクォーク
アップクォーク
ストレンジクォーク
チャームクォーク
ボトムクォーク
トップクォーク
このクォークという名称は、アメリカの物理学者ゲルマンとツヴァイクが、
1964年に別々に究極の素粒子「クォーク」のモデルを発表し、
アップ(u)、ダウン(d)、ストレンジ (s)の3つの種類を考えました。
現在、クォークは、この3つの他にも、チャーム(c)、ボトム(b)、トップ(t)が加わって、
合計6種類が確認されてい ます。
ちなみに、クォークとは20世紀を代表する
イギリスの小説家ジェイムズ・ジョイスの最後の長編小説である
『フィネガンズ・ウェイク』からとった名前で、
作品中、カモメが「クォーク」と3度だけ鳴くシーンがありますが、
その3度鳴くシーンと3種類のクォークをかけたものでした。
(出典:JAXA(宇宙航空研究開発機構)スペースノート)
(出典:高エネルギー加速器研究機構)
これらのクォーク(合計6種類)やレプトン(合計6種類)が、
物質を作っている基本的な単位=素粒子だと考えられています。
また、力も素粒子の交換を通じて伝わると考えられている。
重力=重力子の交換(まだ観測されていない)、
電磁気力=光子の交換(原子核と電子、あ るいは原子同士を結びつける力、身近には静電気や磁石の力)、
弱い力=W粒子とZ粒子(原子核の崩壊(β崩壊)や中性子の崩壊のときの力)、
強い力=グルーオン
(クォー ク3つからなる陽子や中性子の中でクォーク同士を結びつける役割、
また原子核の中で陽子や中性子をくっつけている力、8種類ある)
という素粒子がある。
さらに物質の「質量」に関係していると考えられているヒッグス粒子があります。
ヒッグス粒子はヨーロッパのCERNの巨大加速器を用いた実験により、
2012年7月に確認され、提唱者ピーター・ヒッグスは2013年ノーベル物理学賞を受賞した。
そして時は流れ、つい昨日のこと
2015年10月6日 東京大宇宙線研究所の梶田隆章教授がノーベル物理学賞を受賞しました。
素粒子の攻勢グループであるレプトンの中のニュートリノに
質量があることをスーパーカミオカンデで観測した功績が認められたとのこと。
梶田隆章教授はこの世紀の発見を次のように言っています。
「ニュートリノの研究をして認められたが、これはすぐに役に立つものではない。」
「よく言えば、人類の知の地平線を拡大するような」
「そして研究者が個人の好奇心に従ってやるものです。」と。