高校化学 アルケン
炭素と水素から成り立つ物質を、炭化水素と呼びます。
その中で、鎖状の二重結合をもつ不飽和炭化水素を
一般的には、次のように呼びます。
その名は・・・
アルケン
マツケンではありません。
決して、踊りません。
広島のマエケンではありません。
強烈なストレートは投げません。
ナガノケンでもありません。
そんなに大きくありません。
不飽和炭化水素です。
アルケンです。
ところで、このアルケンの化学式は一般的に次のように表します。
CnH2n (n≧2)
例えば
n=2ならば、C2H4 (エチレン) の式となります。
n=3ならば、C3H6 (プロピレン) の式となります。
これらは、前回確認したアルカンの名称が元となっています。
名称は、基本的に最後部分の発音が「~en」となります。
例えば、アルカン → アルケン で有名なのもとして
エタンとエチレンがありますが、
エタン(~an) → エテン(~en)
となるわけです。
と、ここで1つ疑問が。
「エチレンとエテンのどちらが正しい名称?」
(答え)
IUPAC命名法では エテン (ethene) と呼びますが、
一般的な通称としてはエチレンを使っていきます。
学校の教科書にもエチレンとして記載されているので、
エタン=エチレンとして覚えておきましょう。
そして、ここからが重要です
アルケンには、二重結合があります。
この二重結合は回転できないため、
化学式は同じだけど構造式が異なるものが存在します。
それが、
構造異性体
と呼ばれており、「シス型」と「トランス型」の2種類あります。
シス型
Thisという単語が語源なので、「コチラ側」という意味
トランス型
Thatという単語が語源で、「アチラ側」という意味
例えば、n=4のとき、ブテンと呼ばれる物質が出来あがりますが、
シス型とトランス型の2種類作ることが出来ます。
CH3 がシス型では、同じ側(こちら側)に付いており、
トランス型では、反対側(あちら側)に付いています。
単結合(一本線)の場合は、自由回転出来るため
構造異性体は存在していませんでしたが
回転出来ない二重結合を持つアルケンでは、
構造異性体が存在するんですね。
(アルケンの反応)
アルケンは、二重結合をもつため他の物質と反応する場合
この二重結合部分が切れて、他の原子を付け加える反応である
不可反応
が起きていきます。
例えば、エチレン+塩素の場合
というように、新たに塩素を付け加えて
「1,2-ジクロロエタン」と呼ばれる物質が出来あがるわけです。
なお、名称の決め方は通常授業の化学講座で確認していきます。