ヤモリとファンデルワールス力

 皆さんは「ヤモリ」を知ってますか?
 トカゲのような形をした爬虫類で、日本でも自然に生息し、窓や天井に張り付いていることもあるようです。

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 ところで、ヤモリの足裏には、タコのような吸盤があるわけではなく、またカタツムリのように粘液を出しているわけでもありません。では、どのような仕組みでヤモリは垂直の壁に落ちないで貼りついていられるのでしょうか?
 実は、それに関係するのが、この人です。

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 この人、「ヨハネス=ファン・デル・ワールス」という人です。そう、高校化学で出てくる、「ファンデルワールス力」というのを発見した人です。
 (余談ですが、「ファンデルワールス力」は「ふぁんでるわーるす りょく」と読み、「力(ちから)」の一種です。たま~に、「ふぁんでるわーるす か」って読んで、恥を書く高校生がいます。注意しましょう。)

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 ところが、ヤモリの足の裏には、趾下薄板(しかはくばん)と呼ばれる器官があり、この趾下薄板の表面には、マイクロメートル(1000分の1ミリ)サイズの剛毛があり、それらの剛毛は、さらに細いナノメートル(マイクロメートルの1000分の1)サイズの毛の集合によって構成されています。これらの非常に細い毛が、壁の表面の凸凹に噛み合わさると、そこに「弱い力」が生じます。これが「ファンデルワールス力」となって、吸盤や粘液の助けを借りることなく、垂直の壁にも貼りつくことができるのです。
 日常生活には関係ないと思っていることが、実は、私たちの身の回りにもあるんですね!