センター現代文の選択肢へのアプローチ① 選択肢の重要性
広い世の中には「センター現代文で、本文を読まずに選択肢だけ見て 8割 160点 取れる、奇跡の方法!」などといった参考書もある。
いやいや、冗談言うなよ。いくらなんでも、本文読まずに 8割 160点 取れるはずないだろ! 常識で考えてもわかる。
やはり、国語(とくに現代文という科目)は、本文を読んでしっかり内容を把握し、次に設問を読んで意図している設問を把握し、最後に選択肢をそれぞれ比較吟味し本文内容と照らし合わせて正解を出す科目なんだから、本文読まずに解けるはずはない。そうだね。
でもね、ちょっと待ってほしい。では、こういう「選択肢だけ見て解く方法」というのが、全くのデタラメで価値がないのかというと、意外にそうでもないんだ。
そもそも、現代文の点数の悪い生徒を見ていると、実は半数以上の生徒は、設問に対するだいたいの正解内容はわかっているんだ。正解の書かれている本文部分も把握してるし、その本文の内容もある程度は理解できている。それでも、なぜか正解にたどり着けない。・・・それはなぜというと、現代文の点数の悪い生徒の大半は、選択肢へのアプローチが悪いんだ。
センター試験は高校入試などと違って、本文内容がわかっていても、正解を一発で単純に選べられるようには作られていない。ちょっとまわりくどい言い方に直したり、紛らわしい選択肢を混ぜたり、論理を逆にしてみたり、あの手この手で受験生を騙そうとしているんだ。そこで、選択肢へのアプローチをしっかりとしていかないと、たとえ本文内容が理解できていても、点数が取れないという現象が起こってしまうんだ。
ここで、さきほどの、「本文を読まずに選択肢だけ見て解く方法」というのが重要になる。もちろん、先ほど述べたように、本文読まずに解けるはずはないよ。(でも実際問題としては、本文読まずとも解けてしまう場合もあるんだけど、それは期待しない方が身のためだ。)でも、あえて本文を読まないことで、設問を把握し、選択肢をしっかり読んで、選択肢の内容を比較検討して吟味するという行為が、より純粋に浮かび上がるのは確かだし、そのような経験を積むことによって、選択肢へのアプローチが格段に上達するのは嘘ではないんだ。
ですから、時習館として、森山個人として、「本文読まずに、選択肢だけ見て 8割 160点 取れるようになる方法」なんてあるはずもないし、信じてはいけない」と述べておきます。ただし、 あえて本文を読まずに、純粋に設問の意図を読み取り、純粋に選択肢を比較検討吟味することで、結果として、選択肢へのアプローチが上達し、点数が上がるきっかけとなりうることは十分にあり得るし、それは練習しておくべきであると述べたいと思います。
では、次回から、実際のセンター試験の問題を使って選択肢へのアプローチ練習をしてみましょう。