大学を知る 第14回 「法学部」
法学部って何を学ぶの?
法学というと、六法全書が司法試験といった堅いイメージが強いが、その研究分野は一般に知られている以上に幅広く、時代の状況に応じて柔軟に対応している。特に、裁判官、弁護士、検察官といった法曹の養成は法科大学院(将来の法律事務化を育てる専門職大学院で、全国で74校(平成23年時点)に開設されています。標準修業年限は3年、法学部以外の学部からの入学も可能となっています。)で行われるようになったため、学部では法律の知識や実務能力の獲得だけを目的とするのではなく、法的問題についての基本的な考え方などを習得し、広く一般社会で活躍できるゼネラリストを育成することを目的にしている。
法学は大きく、法学とは何かを学ぶ基礎法学と、一定の時代や社会において効力を持つ実定法について学ぶ実定法学の2分野に分かれます。基礎法学には法哲学、法社会学、法史学などがあり、実定法学では、基本六法(憲法・刑法・民法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法)を中心に国際関係法や経済法についても学んでいきます。2年・3年次以降はコース別に専門的な研究がスタートし、六法を中心とした司法系、企業活動と法の関係を研究する経済法学系、国際社会と法がテーマの国際系などがあります。
憲法は短い条文ではありますが、故に解釈の幅が広く全ての方の根本にあるという性質もあり、その解釈は一つの壮大な哲学体系を構成すると言っても過言ではありません。様々な文献を読みこみながらその体系を自らの中に作り上げていくということは極めて興味深い体験にもなります。
また、国際連合やEU、NGOなどの国際的な組織・連合体が研究対象になっています。経済学部や法学部、あるいは外国語学部でも国際的な視点で研究する専攻は設置されていますが、国際関係学部では、一つの学問の枠にとらわれない学際的な色合いが濃いのが特徴でもあります。また自由な観点から研究できるという点では他学部にない柔軟さもあるといって良いでしょう。
法学を学べる学部・学科を設置している大学は、国立大学・私立大学ともに数多くあり、選択肢は幅広くなっています。また経済・経営学部にも経済法や経営法学科が設置されていることもあります。なお、司法試験の受験希望者は法科大学院へ進学する必要があり、法曹(弁護士や検察官など)を目指している人は、法科大学院も調べておくと良いでしょう。